昨今、どんな食べ物にでも「ダイエット」という名前をつける風潮があります。
「チョコレートダイエット」の文字を見た時には驚きました。
チョコレートも、食べ方によっては食欲を抑えることができるらしいのですが、ダイエットを行なう時にはおいしいお菓子に頼らず、自分の意思で食欲を抑えなければ長続きはしないでしょうし、必ずリバウンドを招くと思います。
ダイエットには、辛さと我慢がつきものです。
その大変さが身に染みてわかっているからこそ、ダイエットに成功して、見違えるような体型になった方をうらやましく思えるのですよね。
カカオには、体に良い成分がたくさん入っているようです。
今回は、カカオを原材料としたココアについてのお話しと、チョコレートのお話しをして行こうと思います。
ダイエットに疲れたとき、ごほうびのつもりでチョコレートを少しかじって、1杯のココアに満足をする、甘くておいしいお菓子をこうやって手の届かないところに置くことで、明日から、またダイエットに取り組もうという元気が出てきますね。
チョコレートの成分
スーパーに行って、チョコレートをくるりとひっくり返してみましょう。原材料名が書いてあると思いますが、ほとんどのチョコレートには、植物油脂の文字が書かれています。
今回は、この植物油脂について考えてみます。
私たちが摂取する栄養素のうち、脂質は動物性の脂と植物性の油に分けられます。
何となく動物性の脂は体に良くないと言うイメージがありますが、動物性の脂は、ラードやバターのように常温で固体です。
固体のあぶらは「脂」と表記されます。
固体の脂は血管の壁につきやすく、悪玉コレステロールを増やす原因となり、カロリーも高いために、摂取し過ぎると肥満の原因になります。
一方植物性の油は常温で液体です。
液体のあぶらは{油}と表記されます。
植物性の油は体内で固まりにくいために、体内に貯められにくい性質があります。オリーブオイルや青魚に含まれている油は、体に良いイメージがあります。
この植物性油に水素を添加して、固体や粉末にしていく過程で、「トランス脂肪酸」というものが生成されます。
マーガリンに含まれている脂があまりよくないと聞いたことがあると思いますが、それがこのトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸は、過剰に摂取すると悪玉コレステロールを増やして、善玉コレステロールを減らすことがわかっています。
その結果心臓疾患のリスクを高めます。
また、血中の中性脂肪が増えるので、高血圧や糖尿病の原因になることも指摘されています。
チョコレートは、本来カカオバターという高価な材料を使いますが、一般的なお菓子のチョコレートは、カカオバターは使わずに、植物性油であるトランス脂肪酸が使われています。
一般的なチョコレート100g 中には、0.1グラムのトランス脂肪酸が含まれています。
チョコレートのダイエットの効果については、全くわかりませんが、チョコレートを買う時には後ろをひっくり返して、原材料をしっかりチェックして、植物油脂が含まれていないものを買いましょう。
ココアの話
ココアもダイエットに効果があるのかどうかはわかりませんが、体に良いことだけは確かなようです。
ずいぶん前の話しになりますが、テレビ番組でココアが健康に良いという放送がされた直後、スーパーの店頭からココアが姿を消したと言う話しは伝説になってます。
ココアは、まず、カカオ豆の種子を発酵焙煎して、皮と胚芽を取り除いてすりつぶします。
そこからさらにカカオバターと呼ばれる油脂を取り除き、さらに粉砕をしてココアパウダーができ上がります。
このココアパウダーをお湯や牛乳に溶かすとココアとなり、カカオマスや、調整後の固形チョコレートや、チョコレートソースを溶かしたものがホットチョコレートになります
作り方が違うので、ココアとホットチョコレートは似ていますが別物です。
ココアパウダーにお砂糖やミルクや脂肪分などを加えると、調整ココアとなります。
調整ココアは、直接お湯で溶いたり、牛乳に混ぜることで、甘くておいしい一般的に私たちが飲む「ココア」になります。
チョコレート・ココア国際栄養シンポジウムにおいて、ココアの健康効果が発表されて以来、ココアは健康に良い飲み物であるとのイメージが定着しました。
ココアの主な成分
ココアにはポリフェノールや植物繊維が多く含まれ、カフェイン、亜鉛、鉄、マグネシウムなども含まれていて、ミネラル豊富な優秀な飲み物と言うことができます。
また、ココアには、テオブロミンが含まれています。
テオブロミンは、体内の血行を良くして、新陳代謝をを高めます。
暖かいココアを冬に飲むと、体中がポカポカしてきますが、これは、テオブロミンによって血行がよくなり、抹消の毛細血管にまで血液が行き届き、手先や足先の冷えがケアされるためです。ココアには、このテオブロミンが豊富に含まれています。
ココアのカロリーは、カカオパウダーの状態で100g あたり217kcalなので、ティースプーン1杯あたりでは、20kcal 程度でしょう。
ココアの効果
ココアにはたくさんの健康的な効果あります。
腸内環境を整える
ココアは植物繊維がたくさん含まれています。
特に、ココアの植物繊維は不溶性タイプなので、腸まで溶けずに届きます。
腸に届いたココアの食物繊維は、腸の壁についている汚れを吸い取りながら、体外に排出されます。
またココアにはポリフェノールも含まれていて、腸内環境を整えたり、腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きがあります。
便秘をケアします
ココアは食物繊維を豊富に含んでいるため、便秘ケアの効果もあります。
満足感を感じることができます
ココアに含まれるテオブロミンによって、セロトニンが作られます。
セロトニンは交感神経を刺激することによって、血圧や脈拍を上昇させます。
セロトニンが分泌されると、満足感を感じやすくなります。
ダイエットで食事制限に多少のストレスを感じたとき、ゆっくりと一杯のココアを飲むことによって、もう少しダイエットを頑張ってみようという気持ちになるといいですね。
冷え性をケアします
テオブロミンによって作られたセロトニンの効果で、交感神経が刺激され、体温をアップさせ、血圧も上がるので血行がよくなり、冷え性をケアすることができます
抗酸化作用があります
ココアに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があります。
体の中には活性酸素があり、これが体の中を酸化させてしまいます。
酸化するとシミやシワや肌荒れなどの症状が皮膚に現われます。ココアのポリフェノールの働きでこの酸化を防いで、アンチエイジング効果が期待できます。
疲労回復します
今回何回も出てくるテオブロミンには、疲労回復の効果もあります。
交感神経が活発になると、血圧が上昇して自律神経が安定してきます。その結果、疲れにくい体となり、疲れても回復するまでの時間が短くなります。
ココアの飲み方
ココアを一番おいしく飲むには、温めたお湯少量でココアを練ったあと、たっぷりの牛乳とお砂糖を入れて、熱々にして飲みますが、牛乳が濃厚で甘いほどおいしく感じられます。
しかし、ダイエット中に、たっぷりのお砂糖を使うわけにはいきません。
甘いココアの好きな方は、毎回少しずつお砂糖の量を減らしていきましょう。
ココアはパウダーをお湯で溶かしただけで飲んでみると、苦くて悲しくなります。
その上お砂糖も使えないとなると、何のためにココアを飲むのかがわからなくなってしまいます。
ココアを飲む時には、牛乳に溶かすと、まろやかさが出てきます。このまろやかさがあれば、お砂糖の甘みがなくてもおいしく飲めるようになります。
ココアダイエットのまとめ
今回は、ココアの飲み方について考えてきました。ココアは健康的には良い飲み物ですが、ダイエットに直接の効果があるのかどうかはわかりません。
ただ、ダイエットが辛くなったとき、ほんの少しお砂糖を入れて、甘みのあるココアを飲むだけで満足できると思います。
今回行なうダイエットが生涯最後となるように、数か月の間は甘いものを我慢して運動を続け、正しい食生活を続けましょう。
そして、時々チョコレートやココアを楽しみましょう。
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