ダイエットのためにトレーニングでもしようかと思ったとき、必ず出てくる言葉が有酸素運動と無酸素運動です。どちらの運動もダイエットには必要です。
まずは、ひと言で有酸素運動と無酸素運動の違いを説明しましょう。
有酸素運動
無酸素運動
ここまででわかったこと
★無酸素運動は筋肉を鍛える運動
それでは、ここからはもう少し詳しく2つの運動の違いと、ダイエットへの関わり方、それぞれどんな運動があるのかを説明しましょう。
有酸素運動とは
軽い運動をすると、呼吸によって十分な酸素を体の中に取り込むことができます。体の中では、運動によるちょっとした疲労で、疲労物質のひとつである乳酸ができます。この乳酸は、酸素と合成されて再びエネルギーへ変化します。このとき、脂肪が燃焼することによって合成を促します。これが有酸素運動の仕組みです。
運動し始めると、まず血液中の脂肪が使われます。血液中の脂肪を使い終わると、皮下脂肪や内臓脂肪など体脂肪を使うようになります。また、体脂肪を構成する脂肪細胞は、脂肪分解酵素であるリパーゼによって分解され、燃焼に使われます。ところが低温では働きが鈍ります。体温が多少汗ばむ程度に高くなると、リパーゼが活性化し始めます。そこで、有酸素運動は20分以上続けることがポイントとなります。
有酸素運動をがんばり過ぎると、呼吸が軽いハーハーからゼーゼーになり、十分な酸素が取り込めなくなります。ゼーゼーになると無酸素運動になってしまい、体脂肪が燃えなくなってしまいます。有酸素運動に適した運動は、年齢に関係なく誰でも手軽にできる比較的ゆっくりとした運動で、ジョギング・ウォーキング・水泳・サイクリングなどがこれに当たります。ダイエットにおいては、有酸素運動は直接脂肪を燃焼してくれるので、とても大切でありがたい運動となります。
無酸素運動とは
運動を始めると、血液中の糖分が燃料として消費されます。糖分が減ると、次に筋肉や肝臓で蓄えている糖分(グリコーゲン)を消費します。これが無酸素運動です。
無酸素運動は、基礎代謝が上がり筋力がつくトレーニングです。筋力トレーニングや短距離走などがこれに当たります。
基礎代謝が上がることや、筋力がつくトレーニングをすることとダイエットの関係は次で説明をします。
ここまででわかったこと
ジョギング・ウォーキング・水泳・サイクリングなど
★無酸素運動 瞬発的な動きが必要な、がんばるタイプの運動方法
筋力トレーニング・短距離走など
有酸素運動と無酸素運動は、まったく違うことがよくわかりました。次は、基礎代謝が上がって、筋肉がつくと痩せていく理由を説明しましょう。
基礎代謝が上がると痩せる不思議
一般的に加齢に伴って基礎代謝量は低下します。その主な理由として筋肉などの除脂肪量の低下があげられます。このことは活動時のエネルギー代謝量が低くなることにもつながりますので、結果的に総エネルギー消費量(24時間相当)も加齢に伴い低下していきます。(
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトeーヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-004.html)
厚生労働省の説明の通り、年齢と共にエネルギー消費量が減っていくことはよく知られています。厚生労働省の表はくわしすぎてわかりにくいので、ここで年代別消費エネルギーをまとめておきます。
※単位kcal/日
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18-29歳 | 1520 | 1180 |
30-49歳 | 1520 | 1140 |
50-69歳 | 1380 | 1100 |
70歳以上 | 1230 | 1030 |
表を見ると、50代になると、がたっと消費エネルギーが減ることがわかります。
基礎代謝が減るに従って、食事の量に気をつけなければなりませんが、私たちのまわりはストレスがたくさんあります。ストレスケアのためについつい食べ過ぎることが多くなったり、年を重ねるに従って家でゆっくり過ごす時間が増えて、間食も多くなることが原因で、消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が多くなってしまいます。
私たちが食べた物は、体の中でエネルギーとなり、生きるために心臓を動かしたり、消化をしたりなど、たくさんの動きをすることによって使われていきます。この動きは寝ている間でも行われています。この時に、使われずに余ったエネルギーは、脂肪として体内で蓄えられます。
エネルギーを最も多く使うのは筋肉だといわれています。つまり、筋肉の量を増やすと、使われるエネルギーつまり基礎代謝エネルギーが増えて、寝ている間にもたくさんのエネルギーが消費されるようになるのです。
大胆なCMで有名になったライザップなどのパーソナルトレーニングジムやプライベートジムでは、この点に注目をして、筋肉をつけることによってダイエット効果を上げるトレーニング方法を導入しています。
ここまででわかったこと
★摂取カロリー(食べる量)は変わらないか、むしろ年々増えている
★寝ている間にもエネルギーは消費される
★筋肉量と消費エネルギーを増やすことによって、ダイエット効果が出てくる
有酸素運動と無酸素運動を効果的に行うための方法
有酸素運動と無酸素運動は性質が全く違うため、同時に行うことはできません。それぞれ効果的に行うための方法をご紹介します。
効果的な「有酸素運動」の方法
有酸素運動は、食後1時間半経ってから行うと一番効果的です。食事をすると、血糖値がピークになるのが1時間半前後だといわれています。この時に運動すると、血糖値や中性脂肪を抑えることができます。
効果的な「無酸素運動」の方法
無酸素運動は、自分が決めた回数以上の動きを全力で行うことが大切です。無酸素運動を続けることにより、筋肉自体が強くなり、さらに筋力強化を望むことができます。女性は、筋肉をつけるためのホルモンが男性の20分の1程度と言われています。どんなに必死になって筋トレをしても、ムキムキの体にはならないので安心しましょう。
ここまででわかったこと
★無酸素運動 全力以上でがんばる
まとめ
今までは、ダイエットのために、やりやすい運動ばかりを選んでいたかもしれません。これからは、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて行うことによって、美ボディへと導いていきましょう。
ただし、年齢や今までの運動経験などを考慮して、無理のない運動をすることが、大人のトレーニング方法です。
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