もくじ
1ドローインとは
2ドローインの効果ドローインの効果
3基本のドローイン
4ドローイン効果の確かめ方
5慣れたら ながらドローイン
ドローインとは
体幹という言葉を聞いた事があるでしょうか。
体幹とは、大きな意味では胴体の部分のことを指します。
つまり、首から下、脚のつけ根よりも上の部分を体幹と呼びます。
腕は体幹には入りません。
胴体の部分には、たくさんの筋肉があり、それぞれつながりを持ちながら違う役割を担っています。
お腹まわりには、一番有名な腹直筋が真ん中にあります。
腹直筋とは、一般的に言う腹筋で、シックスパックに割れる部分です。
腹筋は手で触ることができます。
このように、体の表面の近くにあり、触ることのできる筋肉をアウターマッスルと呼びます。
一方、お腹周りの筋肉には、体の奥にあって触ることができない筋肉もあります。
この触ることのできない筋肉は、直接体を動かす働きをしませんが、姿勢を保ったり、内臓を正しい位置にキープする働きがあります。
この筋肉をインナーマッスルと呼びます。
内臓の周りには横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の4つのインナーマッスルがあります。
体幹は、狭い意味ではこの4つのインナーマッスルのことを指すことがあります。
体幹トレーニングという言葉がありますが、これは、4つのインナーマッスルを鍛えることをいいます。
ドローインは、インナーマッスルを有効に使えるようにするための体幹トレーニングです。
ドローインの効果
ドローインによってインナーマッスルを鍛えると、どのような効果があるのでしょうか。
横隔膜を鍛える
横隔膜は、お腹と胸を隔てている膜です。
横隔膜を上下することで、呼吸が行なわれています。
横隔膜を鍛えると、自律神経が安定します。
自律神経とは、自分では意識していないところで身体の調節をします。
心臓や内臓の動き、消化や吸収や血液の循環などをつかさどっています。
自律神経の支配による身体機能は、無意識のうちに行なわれるので、自分でコントロールをすることができませんが、ただ1つ、呼吸だけは意識的にコントロールをすることができます。
呼吸を深く行なうことができれば、体にたくさんの酸素を取り込むことができて、体中の細胞にたっぷりの酸素を運ぶことができるようになります。
深い呼吸をするためには、横隔膜を鍛えておく必要があります。
腹横筋を鍛える
腹横筋は、背中からぐるりとお腹に回る筋肉で、お腹をコルセットのように覆っています。
お腹には骨がないので、筋肉だけで支えなければなりません。
そのため、腹横筋がしっかりしていると、体を安定させて美しい姿勢をキープすることができます。
また、腹横筋は、内臓を正しい位置に固定する働きがあるので、腹横筋が弱ってくると、内臓が下がってお腹がぽっこり出てしまいます。
その他にも、腹横筋がしっかりしていると、腰痛のケアにつながります。
呼吸の時も腹横筋は使われているので、鍛えておけば深い呼吸ができて、体にたくさんの酸素を取り込むことができるようになります。
多裂筋を鍛える
多裂筋という言葉は、筋肉の専門家でない限り聞いたことがないと思います。
多裂筋は、背骨に沿って腰に向かって続く筋肉で、上半身の動きを支えてくれる筋肉です。
多裂筋がしっかりしていると、立っている時も座っている時も、姿勢をきちんと維持することができます。
また、多裂筋には体のひねりを助ける働きがあるので、多裂筋が弱くなると、誰かに呼ばれて急に振り向いた瞬間、腰を痛めてしまうことがあります。
多裂筋は、腰の方に行くとどんどん太くなってくるので、鍛えておくと腰が安定します。
骨盤底筋群を鍛える
骨盤底筋群は、骨盤の一番下に横たわっている筋肉で、肛門や尿道を締めたり、子宮を支えたりする働きがあります。
骨盤底筋群が弱くなると、ちょっとした咳やくしゃみで尿が漏れてしまうことがあります。
また、骨盤底筋群が引き締まっていると、女性ホルモンのバランスが整えられて、生理不順や生理痛のケアが期待できます。
内臓脂肪が減る
ダイエットにドローインを取り入れたい理由は、内臓脂肪を減少させる効果も期待できるからです。
腹横筋がしっかりしてくると、お腹の下の方でぎゅうぎゅう詰めになっていた内臓が、上に引っ張り上げられます。
定位置に戻った内臓は、お腹の中で消化活動をのびのびと行なうことができます。
基礎代謝のうち、筋肉による消費カロリーが多いことは有名ですが、内蔵の消化活動もかなりのカロリーを消費します。
それぞれの臓器が100%の力を出し切って、一生懸命消化活動を行なうと基礎代謝が上がります。
基礎代謝が上がれば、寝ている間でも摂取したカロリーを消費してくれるので、痩せやすい体質になっていきます。
お腹についた内臓脂肪は、つきやすいのですが取れやすいという性質もあります。
基礎代謝を上げることによって、自動的に内臓脂肪も減らすことができます。
基本のドローイン
それでは、基本的なドローインをやってみましょう。
2 息を吸いながら、お腹をへこませていきます(逆腹式呼吸)。
3 お腹がある程度へこんだら、息を吐きながら、さらにお腹をへこませます。
4 お腹と背中がくっつくくらいにへこんだら、その場所で30秒間キープしましょう。
息は止めないで、胸で浅く吸ったり吐いたりを繰り返しましょう。
基本のドローインはこれだけです。
ドローインは、腹式呼吸の延長の呼吸法になります。
ドローイン行なうときに、1つだけ気をつけたいことがあります。
お腹をへこませるときに、ろっ骨の下に手を当ててみましょう。
お腹をへこませた時に、その部分が大きくへこむとドローインの効果が半減します。
ろっ骨の下の部分をへこませずに、お腹の下の方をへこませるように意識をしましょう。
ドローイン効果の確かめ方
ただお腹をへこませていても、インナーマッスルに効果的に働きかけているかどうかがわかりません。
インナーマッスルは体の奥にある筋肉なので、手で触れることができませんが、たった1つ腹横筋だけは手で感じることができます。
骨盤の一番出っ張っているところから、指2本分くらい内側に入ったところを、少し強めに押してみましょう。
そのまま軽い咳をすると、ポコポコと盛り上がる場所があります。
そこが腹横筋の場所になります。
腹横筋を探すことができたら、その場所に手を置いて、お腹をへこましている時にきちんと腹横筋が固くなっているかどうかを確かめましょう。
お腹のへこまし方によって、腹横筋に力が入る場合と入らない場合があるので、インナーマッスルに対して、効果的なお腹のへこませ方を体で覚えましょう。
慣れたら ながらドローイン
ウォーキング+ドローイン
寝た状態でのドローインが上手にできるようになったら、座っていても歩きながらでもドローインを行なうことができます。
仕事中、気がついたら腹式呼吸を行ないながら、お腹に力を入れてドローインを行ないましょう。
誰にも気づかれずにトレーニングを行なうことができます。
仕事の行き帰りにも、歩きながらドローインを行ないましょう。
慣れないと呼吸が難しくて、ただ歩いているだけでも苦しくなってしまいます。
そこで、歩いている間中ずっとドローインを続けるのではなく、時々ドローインを取り入れるという程度で行ないましょう。
歩きながらのドローインを続けると、意識をしなくてもだんだんお腹に力が入るようになり、前かがみになりがちだった上半身が、まっすぐ立つようになってきます。
こうして、だんだん姿勢がよくなってきます。
日常生活+ドローイン
テレビを観ながらドローイン、食事の支度をしながらドローインなど、ドローインは起きている間中、いつでも行なうことができます。
しかしだからといって、一日中お腹をへこませる必要はありません。
むしろ長時間ドローインを行なうと、インナーマッスルがドローインの呼吸法に慣れてしまいます。
1日何回か、気がついた時に行ないましょう。
まとめ
ダイエットの目的でドローインを行なっても、短期間で直接的に大幅な体重減少にはつながりません。
体重を大きく減らすには、やはり筋トレを行なわなければなりません。
しかし、ドローインと筋トレを並行して行なうと、ただ痩せるだけではなく、痩せた時に美しい体型になることができます。
ダイエットに成功して、姿勢美人にもなりましょう。
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