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マイナスカロリーダイエットのウソ本当 食事誘導性熱産生とは?

疑問な女性

世の中には、食べれば食べるほど痩せていく食材があるらしいのですが、それを中心に食べていけば、あとは何もしなくても痩せられるのではないでしょうか?
答えは、いいえです。
普通に考えると、「食べれば食べるほど痩せていく」、そんな夢のような話は信じられませんが、マイナスカロリーダイエットという考え方が1人歩きをして、このような神話が出来上がったのではないかと思います。
今回は、マイナスカロリーダイエットという言葉は使わないで、「食事誘導性熱産生」について考えていきます。

もくじ

1マイナスカロリーダイエットの考え方
2食事誘発性熱産生DIT(Diet Induced Thermogenesis)とは
3食事誘導性熱産生エネルギー消費の割合
4食事誘発性熱産生を効果的にする方法
5食事誘導性熱産生が高い食材

マイナスカロリーダイエットの考え方

体重計とメジャー

私たちが食事をすると、「摂取カロリー」が発生します。
そして、その摂取したカロリーを基にして、基礎代謝や運動によってカロリーを消費します。
摂取カロリーの方が消費カロリーよりも多ければ太っていき、消費カロリーの方が多ければ、だんだん痩せていきダイエットに成功します。
そこで、私たちは太ってしまったことに気付くと、食べる量を減らせば痩せることができると思い、単純に食事量を減らして摂取カロリーを減らしていきます。
マイナスカロリーダイエットの考え方は、「食べれば食べるほど痩せていく食品を摂取することによって、満腹感を感じながら痩せることができるダイエット方法」です。
どういうことかというと、100kcalのものを食べるとき、その食品を口で噛んで消化して、排泄するまでの消化のためのカロリーが120kcalになれば、どんなに食べても痩せていくという考え方です。
消化するのに120kcalが必要ならば、20kcal分の体脂肪を使わなければならないということになりますね。
ずいぶん前の話ですが、「りんごダイエット」という置き換えダイエットが流行りました。
りんごは栄養豊富で、カロリーが低く、消化に多くのカロリーを使うため、マイナスカロリーダイエットにはうってつけの食材となります。
どなたが名付けたのでしょうか、海外ではマイナスと言うと悪いイメージがあるので、マイナスカロリーダイエットはネガティブカロリーダイエットという呼び方をしているようです。
確かに、リンゴ1個を食べればお腹が膨らみます。
しかもリンゴにはカリウムやペクチンポリフェノールがたくさん含まれていて、クエン酸やリンゴ酸などという有機酸も含まれています。
でも、私たちは、お腹をいっぱいにするために物を食べるのではありません。
必要な栄養素を平均的に摂ることによって、バランスのとれた健康的な体を維持することができるのです。

食事誘発性熱産生DIT(Diet Induced Thermogenesis)とは

人差し指立てる白衣女性

ここからは、おそらくマイナスカロリーダイエットの考えの元になったのではないかと思われる、食事誘発性熱産生 ( DIT)の話をして行きます。
食事誘発性熱産生とは、ちゃんとした学術用語で、厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトにもその情報は載っています。(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
「食事誘発性熱産生」は、特異動的作用(Specific Dynamic Action)とも呼ばれています。
私たちが食事で摂った栄養素は、排泄をするまで熱量を必要とします。その時に使われる熱が食事誘発性熱産生というもので、消費カロリーの一部分です。
私たちの体の中で使われている消費エネルギーは、基礎代謝と生活活動代謝と食事誘発性熱産生の3種類です。

基礎代謝

基礎代謝とは、人が生きていくために必要なエネルギーで、寝ている間でも消費されます。
病気で一日中寝ている方も、最低限の必要カロリーを点滴で補わなければなりません。

生活活動代謝

生活活動代謝とは、歩いたり走ったりなど、活動することによって消費するエネルギーのことです。

食事誘導性熱産生

食事をすることによって、代謝のために体が消費するエネルギーのことです。
あちこちのサイトで、人の消費カロリーは基礎代謝が70%、運動による代謝が20%と言われています。
そして残りの10%はその他の扱いになることが多いのですが、この10%が、今回のテーマの食事誘導性熱産生にあたります。

食事誘導性熱産生エネルギー消費の割合

私たちが食べた食事の食事誘発性熱産生のエネルギー消費は、栄養素の種類によって変わります。

○たんぱく質のみ 摂取エネルギーの約30%
○糖質のみ 摂取エネルギーの約6%
○脂質のみ 摂取エネルギーの約4%

普通の食事では、この三大栄養素がまざり合うので、食事誘発性熱産生は約10%程度になります。
ダイエットをする場合、たんぱく質の摂取量を増やして筋肉の量を増やしましょうと言いますが、食事誘発性熱産生の点でも、たんぱく質の消費エネルギーのを割合が突出しているので、その点においても、糖質よりもたんぱく質をたくさん摂ったほうが、より痩せやすい体質になると言われています。

食事誘発性熱産生を効果的にする方法

よく噛んで食べましょう

食べ物をよく噛むことによって、交感神経が刺激されます。
それによって、消費エネルギーが増えるので、物を食べる時にはよく噛んで食べることを習慣としましょう。
また、やわらかいものよりも硬いものの方が、食事誘発性熱産生が高まります。
食べる時には、一口最低30回は噛みましょう。
ゆっくり噛むことによって、食事の時間が長くなり、満腹中枢も早めに刺激を受けることができます。
また、ゆっくり噛むと、顔の筋肉が発達して小顔になることも期待できます。

温かいものを食べましょう

熱いおでんや鍋物を食べると、暑くて汗をかきます。
これは、体が温まって代謝が上がっている証拠です。
代謝が上がれば、脂肪の燃焼を効率的に行うことができます。
体温が1度上がると、基礎代謝は10%アップします。
たくさん食べても太りにくい方がいますが、こういう方は、食事の最中や食後に暑がることがあります。
これはまさに、基礎代謝が上がりエネルギーを消費する力が強いため、太っている暇がないということもあるのでしょう。

たんぱく質の摂取量を増やしましょう

もうおわかりの通り、食事誘導性熱産生による消費エネルギーはたんぱく質が一番高く、30%ものカロリーが消費されます。
ダイエット中は、食事の量を減らすこととなりますが、その時には、できるだけたんぱく質を多く含んだ食材を食べることにしましょう。
たんぱく質は、筋肉を作る元となります。筋肉量が増えればさらに消費カロリーも増え、脂肪燃焼効果がどんどん上がって痩せ体質になることができます。
鍋料理は、作るのも片付けも簡単です。
高たんぱく質で、しかもGI値の低いお豆腐や豆乳をたくさん使った鍋料理はいかがでしょうか。
お豆腐で使われている大豆には、女性ホルモン(エストロゲン)の代わりになるイソフラボンがたっぷり入っています。
エストロゲンは、肥満になることを押さえる性質もあります。
お豆腐の鍋料理は、温かい食べ物であり、高たんぱくで低 GI 値でさらに女性ホルモンの働きをするお豆腐を使い、、調理が簡単、野菜もたっぷり食べられるなど良いことずくめのお料理です。

食事誘導性熱産生が高い食材

それでは、食事誘導性熱産生が高いと言われている食材をご紹介します。
この食材に頼ることなく、あくまでも利用することによって、ダイエットのための食生活を考えていきましょう。

セロリ

セロリはカロリーが5キロカロリーで、消費カロリーが50kcal であると言われています。
よく噛んで食べることを考えると、スープなどに入れるよりも、セロリ単独でポリポリと噛む方が、食事誘導性熱産生の点で考えると良いかもしれません。
セロリには、体内の塩分を減らして水分を調節する働きがあるので、むくみやすい方にはお勧めの野菜です。

キャベツ

食前にキャベツを食べて、その後の食欲を抑えるというキャベツダイエットがあるほど、キャベツはダイエットや健康に深い関わりを持ちます。
キャベツを食べるときは、できるだけ生の状態で、大きめに刻んでよく噛んで食べましょう。
キャベツにはビタミン U が含まれています。
ビタミン U は胃の粘膜を保護し、消化や吸収の助けをしてくれるという大きな働きがあります。
また、キャベツは抗酸化物質があるとして、がん予防の食品としてはトップレベルの位置にあります。

わかめやこんぶ

わかめやこんぶなどの海藻類にはカロリーがほとんどありませんが、消化吸収にはとても時間がかかります。
海藻類には食物繊維も多く含まれているので、優秀なダイエット食品と言えます。

ウーロン茶

ウーロン茶は、一杯飲むと40kcal のエネルギーを消費します。
テレビのコマーシャルでは、黒ウーロン茶を飲むことによって脂肪の吸収を抑えることができるとしていますから、ウーロン茶を飲むことによって、ダイエットにとってはダブルの効果を期待することができます。

まとめ

いかがでしたか。
マイナスカロリーダイエットという考え方はちょっと信じられませんが、食事誘導性熱産生という点から考えると、食材によっては消費カロリーが多くて、ダイエットのために役立ちそうな食事方法ですね。
何キロ痩せるかを目標にしたら、できるだけ効果的に無理なくその体重まで持っていけるように、食事方法に工夫をしてしっかり運動もして、1か月で3キロ程度減量するような気持ちでダイエットを行いましょう。

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